無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 レイはくすっと笑う。

「ふざけるな!」

 カッとなったセドリックはとっさに魔法を使おうと腕を振る。しかし、何も起こらない。

(そうだった。魔力が切れだ)

 フォシニを殺してしまったのは、早計だったと後悔する。

「なーに、今の? 魔法、使えなくなっちゃったの?」

 レイはセドリックを挑発するように、せせら笑う。

「黙れ!」

 カッとなったセドリックは腰にぶら下げている銃を手に取ると、それをレイに向ける。最近出始めた最新の武器で、入手するために大金をはたいたものだ。

「フォシニごときが私に楯突いたことを、あの世で後悔するんだな」

 引き金を引くのと同時に、耳をつんざくような爆発音が響いた。


 ◇ ◇ ◇


 ボイル野菜の盛られたお皿の端に、卵焼きを乗せる。
 芋をすりつぶして作ったスープには塩をひとつまみ入れた。

「よし、完成!」
 
 朝ご飯を作り終えたリディアは、奥の部屋の入口を見る。もう昼近いというのに、今日はなかなかレイが起きてこない。

「起こしに行こうかな」

 せっかくなら出来立てを食べたほうがおいしい。
< 45 / 144 >

この作品をシェア

pagetop