無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「なんだ、知らないのか? アーバン侯爵家のタウンハウスで大規模な爆発があったんだよ。新聞にも大きく出てたぞ」
「すみません。新聞を取っていないので」

 答えながらも、リディアの心臓はどくどくと脈打つ。

(アーバン侯爵家で?)

 アーバン侯爵家と言えば、セドリックの屋敷だ。

「セドリック……屋敷のかたは無事なんですか?」
「ああ。大怪我したけど命には別状ないようだ。だが、問題はそこじゃないんだ」

 客の男性は内緒話をするように、声を潜める。

「なんでも、地下から監禁されている人間が複数見つかったらしい。しかも、全員に虐待された形跡がある上に、その中にフォシニじゃない奴も混じっていたとかで、大騒ぎらしいぜ」

 男性は声を潜め、内緒話をするように告げる。

「慈悲深いと有名だったアーバン侯爵が、こんなことをしていたとはねえ。世の中わかんねえもんだな。まっ、いずれにせよアーバン侯爵家にはなんらかのお咎めがあるだろうな」

 男性はふうっと息を吐くと、「じゃあ、また頼むよ」と言って去っていく。
 ドアを閉めると、部屋の奥でカタンと音がした。レイが起きてきたのだ。

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