無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 フォシニと呼ばれる彼らは多くの魔力を有しており、主人となる魔法使いが使うための魔力を捧げる、いわば『魔力供給人』だ。
 魔法使いはフォシニを持つことで自身の魔力不足を気にすることなく魔法を使い続けることができ、フォシニをどう扱うかも主である魔法使いの一存で決まる。

 貴重な魔法使いたちの能力を存分に活用するために作られた制度だといえば聞こえはいいが、要は自分達も魔法使いである貴族たちが都合がいい制度を作っただけだとリディアは思っている。

(こんな非人道的な制度、間違っているわ)

 ──奴隷商を見るたびに思い出すのは、いつも優しく微笑んでくれた少年──ジェイのことだ。
 グリーン子爵家にいたジェイという少年はリディアの三つ年上で、リディアにとって最初にできた大好きなお友達だった。そんな彼は、元気だったのにある日突然帰らぬ人となった。まだ八歳だったのに。

『ジェイ! なんで! なんで!』

 冷たくなったジェイを見て取り乱すリディアとは対照的に、父であるグリーン子爵は冷めた態度だった。

『魔力が豊富だと聞いて高い金を払って買ったのに。とんだ期待外れだ』

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