モフモフ王子様のお世話係になりました!~イケメン王子と秘密の共同生活~
8話 王子、学校へ行く
「ま、まさか本気で行く気なの?」
私は朝食の皿を洗いながら、リアンを見上げた。
真っ白なワイシャツにきっちりネクタイ。
まるでファッション雑誌のモデルみたいに決まっていて、朝日を浴びた姿はちょっと神秘的ですらある。
「もちろんだ。せっかく日本にいるのだ。日本の学生生活を体験せねば」
「体験って……行くのは中学校だけど!?」
リアンは鏡の前で、後ろへ流した三つ編みを整えている。
「日本の学生服というのは、王族服に負けぬほど威厳があるな」
――たしかに似合いすぎていて、何も言えない。
それにしても、パパが昔の中学の制服をまだ持っていたとはびっくりだ。
パパが中3のときに制服が新しくなって、
どうしてもそのデザインが欲しくて、おばあちゃんに頼み込んで買ってもらったらしい。
そのせいで「思い出の制服だから捨てられない」って保管してたんだって。
なんともパパらしい。
そして今、その大切な制服をリアンが着ている。
それをあっさり貸すパパもパパだけど……。
「天音、リアンくんも、のんびりしてると遅刻するぞ〜」
自分もパンケーキをほおばりながらパパが声をかけてくる。
リアンの姿を見ると目をぱちくり。
急に衝撃を受けたみたいに立ち上がり……、
「リアンくん! なんてかっこいいんだ! 僕が着た制服とは思えないよ〜!」
「そうか?」
パパのほめ言葉も、リアンはいつものように冷静だった。
「やっぱり王子様だけあって、庶民の制服を着ても映えるなぁ〜」
「パパ、それほめすぎ!」
呆れる私を無視して、パパは急に手を打った。
「よし! リアンくんと天音、並んで並んで!」
「なんで?」
「記念写真だよ〜! うつくしい王子様が来ているんだから!」
ウキウキしながらパパがカメラを取りに行こうとしたので、私は慌てて止めた。
「ちょっと待ってよ! 遅刻するってば!」
「えぇ〜!」
「えぇ〜じゃない!」
がっくり肩を落とすパパ。
それを見てリアンが吹き出した。
「ふふっ。天音もパパさんも、とても仲が良いのだな」
いや……朝から疲れるよぉ!