モフモフ王子様のお世話係になりました!~イケメン王子と秘密の共同生活~

10話 王子、面倒みきれません!

そして一年A組。

「え、ええええーーっ!!?」

教室中が悲鳴をあげた。
リアンが入ってきた瞬間、女子も男子も大騒ぎ。

(もー! こうなったら他人のふりだ!)

私は知らんぷりして席にすわる。

ところがリアンは、わたしにくっついてくると、隣の田中くんに声をかけた。

「こちらの席を借りてもよいかな?」

シャラ〜ンとどこからか輝きの音がした気がする。
田中くんはメガネをずらし、「ど、どうぞ!」と飛びのいた。

「ありがとう」

リアンは当然のようにわたしの隣の席へ。
わたしは悲鳴をこらえてにらむ。

(まったく、王子様ってこれだから……)

しかし、リアンは涼しげな顔でわたしにウィンクする。

「どうするの!? もうすぐ先生来るよ!」

そのタイミングで――。

ガラッ。

「おはようございまーす」

担任の増田先生が入ってきた。
彼は色白で細くて繊細な性格の先生だ。

教室をぐるっと眺めた先生は、リアンを見て固まる。

「……え? 転校生? 聞いてないぞ?」

案の定、先生は困っている。

「突然すまない。私は隣国・華琉国からの留学生、リアン・ロンだ。本日こちらで一日学ばせてもらう」

リアンは胸に手を当て、完璧な礼をした。
教室はしん、と静まり返る。

「え、ええと……僕ではわからないので、校長に相談を……」

「では、案内してくれ」

返事も待たずリアンが立ち上がる。

「リアン、待って! そこまでしなくても――」

わたしは慌てて声をかける。

「はじめが肝心だ。心配するな」

ニコッと微笑む王子。

先生はペコペコになりながらリアンをつれて教室を出ていった。

わたしは大きなため息をついた。

(はぁ、しんどい……)

「ねえ天音! どういうこと!? あのイケメンと知り合いなの!?」

親友の由奈が飛んできた。
クラス中の視線が私に集中している。

ひえぇぇ!!

なんだかわたしまで目立っている。

「えっと、くわしくは二人の時に話すから! 今はとにかく落ち着いて!」

由奈は「絶対聞くからね〜!」と席に戻っていった。

(リアンのバカ〜! 私の平和な日常を返して〜!)

しばらくして、リアンと先生が戻ってきた。

「校長先生の許可がおりたので、リアンくんは今日一日このクラスで過ごしまーす」

あっさり許可されてるし!

「許可が出た」

リアンはにっこり笑った。
わたしは心の中でまた絶叫する。

(先生たち、ゆるすぎでしょ〜〜っ!)
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