モフモフ王子様のお世話係になりました!~イケメン王子と秘密の共同生活~

12話 完璧な王子②

あっという間に放課後。

リアンは校庭の隅で、また女子たちに囲まれていた。

そしてなぜか――高い木に登りはじめた。

「リアンくん、木登りもできるの!?」

「かっこいい~!」

爪を引っかけて、するすると登っていく姿は……、

(完全に野生のパンダだよ……。)

わたしは教室の窓からリアンを見つめた。
どこにいてもリアンの周りには人が集まり、自然と輪ができる。

王子の素質がそうさせるのかなんなのか。

(私がいなくても……リアンは学校に馴染めるんだ)

それに気づいた瞬間、なぜか胸の奥がチクリとした。
でも、どうしてそうなるのか全然わからない。

「わっ!」

「ぎゃっ!」

誰かに肩をたたかれてビックリ!

後ろを振り返ると、親友の由奈が立っていた。

「ちょっ、由奈! なにするのよ!」

「なにしんみりしてんのよー」

「し、しんみりなんてしてないし……!」

図星をつかれて言葉に詰まる。
由奈はわたしの肩に腕を回し、そっと耳打ちした。

「ねぇ。リアンくんってさ……どこの国の人?」

「えっ!? え、えっと……華琉の……えー……王立……中学の留学生……?」

由奈はじーっとわたしを見る。

「ふーん……なんか天音と妙に仲いいよね~?」

「な、ななな仲良くなんてないっ!!」

(やばい、完全に誤解してる!)

そのとき――

「天音ーーっ! 見てくれ! この木の上からの眺めは最高だぞーー!」

リアンが木の上から手をふってきた。

(お願いだから降りてぇぇぇっ!!)

由奈がぼそりと言う。

「無邪気じゃのう。まるで……」

「まるでなに?」

「いや~、なんでもない~」

にやにや笑う由奈。

「なんだよ、それ! 気になるじゃん!」

私はあわてて由奈を追いかけた。
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