敗戦国の皇子に片想いしてしまったら、思ったよりも溺愛されました

第1章 囚われの皇子

「姫様、我が国の大勝利です」

侍女の弾んだ声に、私は胸の奥で張り詰めていたものがほどけるのを感じた。

「……よかった」

隣国ヴァルティエ帝国と戦をしていると聞いてから、私はずっと気が気ではなかった。

父も兄も、きっと勝つと言っていた。

けれど戦に絶対などない。

もし負けたら。

もしこの王都まで敵が攻め込んできたら。

もし民が傷ついたら。

そう考えるだけで、夜も眠れなかった。

だから勝利の知らせを聞いた時、私は心から安堵した。

「本当に、勝ったのね」

「はい。ヴァルティエ帝国は降伏したとのことです」

「そう……」

よかった。

これで怖い思いをしなくて済む。

これで誰も、この王宮を脅かすことはできない。

そう思っていた。

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