君が照らす人生は、いつだって温かい
◇
「進捗どうですか、詩人さん」
翌日の放課後、
音楽室に入るなり春日井先輩が言った。
「いきなりハードル上げないでください」
「でも、ゼロじゃないって顔してる」
図星すぎて、黙ってノートを差し出す。
「おお」
春日井先輩が、ページをめくる。
後ろから、美由紀さんと瑠奈も覗き込んだ。
「〝欄干に置いた手が冷たくて なんか笑っちゃったんだ〟」
声に出すの、本当にやめてほしい。
「ちょ、朗読禁止です」
「でも、良くない?」
瑠奈が、目を輝かせる。
「めっちゃ光景浮かぶ。青春映画のワンシーンって感じ」
「映画観たことある?」
「だいたい予告編で全部分かった気になるタイプ」
「一番信用できないタイプだな」
美由紀さんが、苦笑する。
ページを追っていた春日井先輩が、ふっと笑う。
「俺、ここ好き」