君が照らす人生は、いつだって温かい





「で」



カレーのおかわりをよそいながら、
義母がふと話題を変えた。



「二人とも、まだケンカはしてないの?」



「け、ケンカ?」



スプーンを持ったまま、変な声が出た。



「付き合い始めたら、一回くらいはするもんでしょ」



あまりに自然に言われて、むせそうになる。



「お、お母さん」



「なに」



「そういうの、さらっと言わないで」



「娘と彼氏の現状把握よ。ねえ、春日井くん」



急に水を向けられて、
春日井先輩が姿勢を正した。



「えっと……まだ、してないです」



「まだ?」



「え、〝まだ〟とか言わないでくださいよ」



「いや、いつかはするだろうから」



春日井先輩は、少しだけ笑う。



「でも、ケンカしても、〝今日まで生きてきたんだよ〟って曲で全部ごまかせそうな気がします」



「どういう意味?」



「〝あのとき言いすぎてごめん。でも今日まで生きてきたんだよ〟って」


 
「それ、便利ワードにしないで」



思わず突っ込む。

義母も吹き出した。
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