君が照らす人生は、いつだって温かい
「……そのときまでに、もうちょっと練習しておきます」
自分でも驚くくらい、
前向きな言葉が口から出た。
「お、それは楽しみだな」
春日井先輩が、嬉しそうに笑う。
「じゃあ、そのうち体育館じゃないどこかで、それも〝上からじゃなくて、同じ高さの場所で〟何か一緒にできたらいいね」
「同じ高さの場所?」
「うん。コートの外なんかでさ」
意味ありげな言い方。
でも、そのときの私は、
まだその意味をちゃんとは分かっていなかった。
ただ、『同じ高さの場所』という言葉が、
頭のどこかに残った。
上から見ているだけの自分。
下で走っている彼。
その距離が、
いつか変わる日が来るのかもしれない。
そんな予感だけが、静かに芽を出していた。