台本通りの恋はしない!
「“キャラクター設定”?」
不可思議な見出しに首を傾げる。
流れは決まってるにしても、本人役でしょ?
キャラ設定とかいらなくない?
疑問を残したまま、読み進めてみる。
【あざといぶりっ子】
……ん?
【男子全員に矢印を向ける肉食女子】
……んん?
【メインストーリーの恋路をかき乱す、恋愛クラッシャー】
「…………これ、」
ゆっくりと書類から顔を上げる。
能面みたいな顔をした御手洗と社長と目が合った。
――知ってたな!
このたぬき親父とキツネ男!
「私の役、すごい嫌な奴じゃないですか!?」
ちょっとおかしいと思ってたんだよ。
こんな美味しいポジションが、弱小事務所に回ってくるなんて!
そこの名前だけ空欄ってことは、ギリギリまでキャストが決まらなかったってこと。
他で断られ続けてたからでしょ。
そりゃそうだよ、本人役でこんなことしたら炎上必至!
世間に嫌われること間違いなし、だもん。
「これ、お断りしま――」
「この間、お前がオーディション落ちた連ドラヒロイン。
あれ勝ち取ったのは、“アオバケ”出身者だったなー」
「…………」
ぴたり。社長の言葉に思わず固まる。