台本通りの恋はしない!
「だから言っただろ」
「学生の真のリアルな恋愛なんて、とても見れたもんじゃないですからね」
2人ともしらっと澄ましている。
なにこれ、ショック受けてる私がおかしいの?
動揺しているのが恥ずかしくなってきて、咳払いを一つ。
話を本筋に戻すことにした。
「――で。私にきた仕事は?ここですか?」
四角関係の渦中にある空欄を指差す。
他の7人分の欄は私以外の名前で埋まってる。
つまり、そういうことだろう。
「ご名答。お前は“メインキャストの恋敵役”として、恋愛リアリティショーの“舞台”に立てるってわけだ」
強調された言葉にピクリと耳が動く。
メインストーリーを動かす“役”ってこと?
つまりそれは、当然出番も注目度も高いんだよね?
ってことは、
「めちゃくちゃおいしい役じゃん!」
「だから言ったでしょう。悪くない話だと」
悪くない、どころかすごくいい話だ。
出番も多い。
注目度も高い。
しかも最終的に振られる役なら、番組後も面倒ごとになりにくい。
最高では?
俄然やる気が湧いてきて、企画書を読むのが楽しくなってきた。
舞台設定やら、企画コンセプト、大まかなストーリー進行にざっと目を通す。
夏休みの1ヶ月を利用した、期間限定の共同生活。
そこで生まれる、男女8人の恋模様のドキュメンタリー。
ざっくりそんな感じの内容だった。
「ん?なにこれ」
あっという間に一番最後のページ――と思ったら、一枚だけ綴じられていない紙がある。
うっかり落としそうになったのを、慌ててキャッチして書類の一番上に持ってきた。