台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―

「……?」

彩加が紙袋を受け取って、中を見る。

「ゲッ!」

瞬間、口を引き攣らせて陸を睨んだ。


「ちちち、違う!俺は落ちてるのを見つけただけで、直で触ってない!
見つけたって言っても、チラッと一瞬!見ただけだから!」


陸が脱兎の如くテラスのガラス戸の方に逃げる。

溜め息をついた彩加が、無言で女子全員を手招きして呼んだ。


女子みんなが集まると、彩加がそっと紙袋の口を開く。

私たちは、恐る恐る中を覗いた。


「……っ、これ」

美玲が咄嗟に口を押さえる。

ひよりが、ボッと火がついたみたいに赤くなって俯いた。


――中身は、ブラ。
白くてちょっと可愛いデザインのやつ。


美玲と私も陸を見る。
陸は全力で首を振っている。


(あいつ、バカ正直にスタッフに助けを求めたな)


アホすぎて溜め息も出ない。


こんな火種、格好のネタじゃん。

大方、スタッフに相談したら紙袋を渡されて、

「女子に返してきて」

――とか言われたんでしょ。

< 117 / 176 >

この作品をシェア

pagetop