台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「……?」
彩加が紙袋を受け取って、中を見る。
「ゲッ!」
瞬間、口を引き攣らせて陸を睨んだ。
「ちちち、違う!俺は落ちてるのを見つけただけで、直で触ってない!
見つけたって言っても、チラッと一瞬!見ただけだから!」
陸が脱兎の如くテラスのガラス戸の方に逃げる。
溜め息をついた彩加が、無言で女子全員を手招きして呼んだ。
女子みんなが集まると、彩加がそっと紙袋の口を開く。
私たちは、恐る恐る中を覗いた。
「……っ、これ」
美玲が咄嗟に口を押さえる。
ひよりが、ボッと火がついたみたいに赤くなって俯いた。
――中身は、ブラ。
白くてちょっと可愛いデザインのやつ。
美玲と私も陸を見る。
陸は全力で首を振っている。
(あいつ、バカ正直にスタッフに助けを求めたな)
アホすぎて溜め息も出ない。
こんな火種、格好のネタじゃん。
大方、スタッフに相談したら紙袋を渡されて、
「女子に返してきて」
――とか言われたんでしょ。