台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「すいません。あの……緊張しちゃってて……」
最初に出てきたのは、美玲。
赤くなった頬を、両手でパタパタと仰いでいる。
『気になる人……は、あの、もっと話してみたいっていう意味で……』
白い両手が口元を隠す。カメラから美玲の視線が外れた。
『紫苑くん』
――だよね。
消え入りそうな小声にしっかり頷く。
ここはそうだ。それ以外にあり得ない。
はい次々、と頭の中で早送りを要求する。
すると、美玲の目がチラッと前を向いた。
『それから、みんなと雰囲気が違くてある意味気になるってことで……』
――ん?
『爽真くん……』
……そこはそうくるの?
びっくりした。
“美玲と紫苑は初期からお互いだけを見続ける”
そういうストーリーだったはずだから。
「ふわ…美玲ちゃん、紫苑くんだけじゃないんですね……!」
ひよりが、私の腕にしがみついたまま目を丸くする。
「そうみたいだねぇ」
画面の中の美玲は、恥ずかしそうに笑っている。
けれど私の胸の奥では、異変に警報が鳴っていた。
でも今の言い方じゃ、爽真が美玲の恋愛ルートに乗ってるように聞こえないし。
後々のための布石……そんなとこかな?
なんて考えていると、場面が転換して今度は紫苑が映った。