台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「あとは――……紫苑くんかな」
彩加は照れくさそうに頬を掻きながら理由を話す。
「美玲のフォローしてるとこ見て、優し!って思って。
あと見た目!かっこいい。めっちゃタイプ」
――こんなのもう、恋してるじゃん。
私が紫苑狙いの暴露を美玲に被せたこと、本気で怒ってたくせに。
自分だって紫苑に一目惚れしてたこと、隠してたんじゃん。
嘘のない蕩けた表情に、ドキドキと胸が脈を打つ。
美玲のために、自分は勝負もせず身を引くのを選んだってこと?
(気の強そうな見た目しといて、どんだけいい子なの?
それじゃただ傷つくだけだよ)
紫苑の恋が行き着く先は決まっているのに。
それをあの子はきっと知らない。
あ――もう。情報量が洪水すぎて整理しきれない。
ごちゃついた頭の中を、一度放出したい。
私が進む先を、早く見定めたい。
(早く0時にならないかな……)
後の映像は上の空で、ひよりにしがみつかれながらぼーっとただ眺めてる。
エンディングが流れる頃にはウトウトし始めたひよりを布団に寝かせて、後1時間。
0時がやってくるのを待った。