台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「ひより!……あのさ、朝飯の後2人で……、っと、2ショットタイム!いいか!?」
「ふえっ!?あっあの、あの……!喜んで!」
テラスのガラス戸の前では、向かい合うひよりと陸からぽっぽと蒸気が出ているし。
「おはよう。美玲ちゃん、昨日は眠れた?」
「え……あ、うん。……いや、あの……
ちょっと緊張して、寝れなかった、かも……」
「だよね、……放送、観たからとか?」
「……っ、……うん……」
ソファの方では、もはやお馴染みの王道ツーショットが甘ったるい空気出してるし。
なんだこれ。お互いの心が見えただけで、ここまで変わるもんなの?
恋模様が加速するとは思ってたけど、解せぬ。
なぜならそのスピード感に、私がついていけてないから。
こんな空気の中、すでにできてるペアに突っ込んでも火傷するだけ。
私が今、1番撮れ高を作れる方に動こう。
チラリと前方を確認。
砂糖漬けの空間に混ざる塩漬けを確保。
まっすぐ突っ込んでいって、ダイニングテーブルの椅子を引く。
1人で優雅にコーヒーを啜っている爽真の目の前に座って、両手で頬杖をついた。
「おはよっ♡爽真くん♡」
チラ。
無機質な目がこっちを見る。
一瞬でマグカップに視線が戻っていったけど。