台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「ちょーっといいなって思ってただけだから。
忘れて!あたし、美玲を応援したいから!」
屈託なく笑う顔は、本気でそう思っている証。
夏空も、かんかん照りの太陽も、彩加が1番よく似合う。
(――情に厚くて、意外と控えめ。つまんないな)
春の陽気のような微笑みの裏で、紫苑はそんなことを考えている。
「……そっか!彩加ちゃんて優しいよね。
実は俺、一期見てたんだけど。その時もさ……」
「え――っちょっとやめてよっ!恥ずかしいからさぁ……」
ちょっと強めに、彩加が紫苑の肩を押す。
後ろにいる紫苑の方を向きながら歩いていた時、曲がり角で誰かとぶつかった。
「わっ」
「きゃっ」
ドン、という鈍い音とともに、彩加が後ろによろける。
「ったた、ごめんなさい!よそ見してました!」
「いえ、瑠奈こそごめんなさ――……」
「「あ――っ」」
重なった私と彩加の驚いている声が、辺りに響き渡った。