台本通りの恋はしない!
「はじめまして♡」
頭で考えるより先に、体が動き出す。
ソファから立ち上がって、美玲の前へと歩み寄った。
アラひとつない、きめ細かい白い肌。
……近くで見ると、余計にレベルの高さがわかるな。
でも負けない。この子と仲良くならなくちゃ。
「私、香月瑠奈って言います♡」
気迫負けしたくなくて、とびっきりの愛想笑いを向ける。
美玲は私の名前を聞いた途端、何か引っかかったような顔をした。
「……白石 美玲です。」
(やっぱり、美玲だったか)
予想が的中して、ちょっとだけ冷静さが戻ってきた。
人見知りしてるのか、戸惑っているように見える彼女に余裕を見せる。
「撮影始まるまで、みんなでおしゃべりしませんか?
ひよりちゃんと陸くんとも、さっき仲良くなったところで――……」
「えーと、あの……」
美玲は困ったような目でチラッと後ろを向く。
すると、壁で死角になっていた美玲の横から、中年のおじさんが現れた。