台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
足を投げ出した美玲が収まるビビットピンクの浮き輪を、両側から爽真と紫苑が引っ張り合う。
困り顔で波に揺られている様子は、今の美玲の心の中のよう。
チラチラと左右を行ったり来たりする視線は、紫苑に留まることが多め。
けれど、爽真の手を離させることもできない。
『本当は紫苑くんと行きたい。
けど爽真くんを誘った手前、無下にはできないし……』
……みたいな副音声が聞こえてくる。
そんな恋愛バトルが火花を散らす中、私はというと。
「――〜〜っ」
ブルーの浮き輪の中で1人ゆらゆら、浮き輪に腕を引っ掛けて浮かんでいる。
その表情は、思いっきり頬を膨らませた顰めっ面。
“誰も瑠奈を構ってくれない!美玲ちゃんばっかりずるい!”
…なんて屈辱を、隠すこともなく露わにしている。
――世間が受け入れる悪女への道、その2。
“感情表現はコミカルなくらいオーバーに”、だ。