台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
ここでガチっぽく面白くなさそうな顔をしたら、ただの“ぶりっこ女ザマァ”って冷笑される。
だけど、アニメかよってくらいリアクションをオーバーにすれば、“いや、顔w”って思わずツッコみたくなる。
同じ“嫉妬”でも、反応の温度を変えれば笑いにできる。
一回でもツッコませたら、“嫌いなのに、なんか見ちゃう奴”になれる。
……と、思う。
一生懸命目を三角にしながら、なかなか終わらない「俺と」「いや、俺が」の争いを見守る。
そろそろ決着つけてよ!
ていうか美玲もなんか言え。
……台本的には、“迷ってる”で正解なのかもしれないけど。
私がしゃしゃり出たら、プロとして場面が読めない奴になっちゃうし。
けど、もう頬の空気が抜けるのも時間の問題……
そう思った時、紫苑がパッと浮き輪から手を離した。