台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


「すごいですねぇ、迷っちゃいますねっ
瑠奈ちゃんは、どんなのがいいですかっ?」

ラックの間をぴょこぴょこと跳ね回るひよりが、楽しそうに振り返る。

もちろんカメラは回っているから、笑顔も愛想も絶やさない。

「瑠奈はぁー、このピンクの花柄かな♡」


白地に大柄のピンクの花模様の浴衣を引き出す。

「イメージぴったりですっ」と、ひよりが大喜びで賛成した。


「ひよりっ!これ、どうだ!?」

ひょこっと隣のラックから、陸が顔を覗かせる。

そして、自信満々で濃紺に花火柄の浴衣をひよりに勧めてきた。

「えっ?あっ……」

反応に困ったひよりが言葉を濁す。

その肩を、サッと支えるように掴んだ。


「陸くん、センスなぁーい。
ひよりちゃんは、もっと淡い色が似合うから」



――世間に受け入れられる悪女への道。その3。

たまに女子のことでも真剣になるべし。

< 221 / 242 >

この作品をシェア

pagetop