台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「すごいですねぇ、迷っちゃいますねっ
瑠奈ちゃんは、どんなのがいいですかっ?」
ラックの間をぴょこぴょこと跳ね回るひよりが、楽しそうに振り返る。
もちろんカメラは回っているから、笑顔も愛想も絶やさない。
「瑠奈はぁー、このピンクの花柄かな♡」
白地に大柄のピンクの花模様の浴衣を引き出す。
「イメージぴったりですっ」と、ひよりが大喜びで賛成した。
「ひよりっ!これ、どうだ!?」
ひょこっと隣のラックから、陸が顔を覗かせる。
そして、自信満々で濃紺に花火柄の浴衣をひよりに勧めてきた。
「えっ?あっ……」
反応に困ったひよりが言葉を濁す。
その肩を、サッと支えるように掴んだ。
「陸くん、センスなぁーい。
ひよりちゃんは、もっと淡い色が似合うから」
――世間に受け入れられる悪女への道。その3。
たまに女子のことでも真剣になるべし。