台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
うーん、と真面目な顔で並ぶ浴衣たちと睨めっこして悩むそぶりをカメラに見せる。
女子に対しても分け隔てなくあざとくする。
この作戦は、初日に封じ込められた。
だから、露骨に女子に擦り寄るアクションは、多分使われない。
でも、ひよりの目の前で意中の相手を貶す嫌な奴ムーブの中に混ぜ込めば、イケるんじゃないか。
“ひよりに似合う浴衣を探す”って行為なら、“ただおしゃれにうるさくてダサいのを見過ごせない奴”って言い訳も立つしね。
「ひよりちゃんには絶対これっ。
帯は淡いオレンジのやつね♡」
クリーム地に小さなひまわり柄の浴衣をひよりに押し付ける。
体にあてがった感じも、ひよりのほわっとした小動物的な可愛さにぴったり似合っている。
うん、我ながらいいチョイスだ。
「お前にひよりの何がわかるんだ!」
とか喚いてる陸を無視して、ひよりににこにこと笑いかけて返事を待つ。
ひよりはじっと私が勧めた浴衣を見つめて、それからギュッとそれを抱きしめた。
「かわいいっ。そうします!
瑠奈ちゃんありがとうございますっ」
「いーえ♡似合わない服のせいで女の子の魅力が半減するの、瑠奈許せないだけだから♡」
「おい!どういうことだコラ!」
リビングのど真ん中でドンパチやってる周りでは、恋の香りが漂っている。