台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―

「なんでアイツ側につくわけ?」

「そうじゃない。
爽真が事を大袈裟にしてるのをやめさせたいだけ」


――じゃないと“矢印一本化計画”に支障が出るし。


……ちなみに、紫苑の二面性の話はまだできていない。

迫られたりとか迫られたりとか、言いにくい出来事が多すぎるから。

浮き輪のことも、駆け引きの結果そうなったなんて、言えない。絶対に。


「大袈裟じゃないだろ。アイツは信用できない。
それに、今日だって――……」


爽真が何か言いかけて、不自然に言葉を途切れさせる。

「今日だって、なに?私、何もされてないと思うんだけど?」

「……」

黙る爽真の脳裏には、昼間の浴衣選びの場面が浮かんでいる。

そんなこと知る由もない私は、奥歯に物が挟まっているような顔をしている爽真に、怪訝に首を傾げる。

しばらく経っても何も言ってこなかったから、強制的に話題と空気を切り替えることにした。
< 231 / 252 >

この作品をシェア

pagetop