台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「ま。一案として受け取っとく。
爽真の浴衣も紺色だっけ?それなら帯は黒がいいと思うよ」
ラックに浴衣を戻しながら、平静を装って話しをする。
「さーて。もう寝ようかなぁ。
明日の支度時間かかるし。ってことで、おやすみー」
ソファに放置されたスマホを回収して、さっさと女子フロアに引き上げる。
突然トゲっぽくなった私の態度に、爽真は不思議そうに首を傾げていた。
――私たちが途中で観るのをやめたアオバケ第一話・後編の続きには、終盤に“あのシーン”も収録されていた。
『ねぇ、陸くん。……ドキドキした?』
下着を落としたひよりを庇って、陸を煽ったあのシーン。
低く甘く囁く、ちょっと危ない声色。
急激な距離詰めと、小悪魔みたいな悪戯っぽい微笑み。
>>え、やば……
>>はい。ドキドキしました
>>カノジョに付き合って観てたんだけど、
るなって子やばくね?可愛い
思惑と違うところで、静かに盤面は変わり始めていた。