台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「……これ。どう?」
爽真が一着の女性物の浴衣を取り出す。
藍紺地に、月明かりの暗さでも映える大柄の白い牡丹。
ちょっとモダンで上品なデザインだ。
「ん?可愛いね?」
「……いや、瑠奈にどうって話」
「……!!」
衝撃で口がぱかっと開く。
この人、突然なに言い出すの?
しかも真顔で。
「……瑠奈、かわいい系で売ってるからぁ。
大人っぽいのはちょっと、」
「似合えばいいだろ、別に」
しかも強引。
「……。今テキトーにとったの勧めてる?」
なんか負けてる気がして、身構えながら浴衣を受け取る。
なのに爽真は、平然とした涼しい顔だ。
「いや。……昼間、白石の浴衣選びしてる時に見つけて、ふと思った」
“白石の浴衣選びをしてる時”。
聞いた瞬間、スッと心が冷え込む気がした。
浴衣選び、美玲が爽真のやつ選んでたね。そういえば。
美玲のも爽真が選んだんだ。
……ふーん。