台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―

「……あ。えーと、」

気まずそうに言い淀む紫苑の前に立って、私はちゃんと笑ってる。

余り物になったのは不服だけど、紫苑くんとペアなら結果オーライ。ラッキー♡
……そんな顔で、ちゃんと。


宙を彷徨っていた紫苑の目が、チラリと私のことを見る。
その瞳に、ほんの少しだけ喜びの色が滲んだように見えた。


「花火大会、一緒に行ってくれますか?瑠奈ちゃん」


――この人は“瑠奈”の好きな人。

“瑠奈”なら、紫苑の本音も周りのこともお構いなしで大喜びする。


「紫苑くんと行けるなんて嬉しい!
瑠奈、いっぱいおしゃれしていくねっ♡」


彩加が美玲を気遣いながら、辟易した顔をしている。
陸もドン引きしてるし、美玲はしおらしい顔をする。

大和は何となく反応を迷ってるように見えるし、ひよりは素直にはしゃいでいる。

そして、爽真は……


(なんで、そんなに無機質なの?)


1人窓の外に視線を投げて、何も感じないようにしているみたいだった。

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