台本通りの恋はしない!
続いた彩加とひよりの自己紹介は、なんとなく浮ついて空回ってるみたいに見えた。
チラチラと動く視線の先も紫苑だったし。
これ、悪役がいなくても荒れたんじゃない?
――まあ、それはそれで好都合。
1番人気を取り合う戦いで、1番大きな台風の目になればそれだけ注目される。
ここまであえて誰とも目を合わさず、息を潜めてきた。
視聴者への1番最初のアピールイベント――
この自己紹介タイムのトリを飾って、強烈なインパクトを植え付けるために。
大和の「じゃあラスト」の声で、みんなの注目が私に集まる。
その瞬間、目と頬の筋肉に力を込めて、きゅるんと可愛い笑顔を作った。
「瑠奈だけの王子様を見つけるために、ここに来ました♡」
限界ギリギリの、砂糖致死量げきあまボイス。
ポージングは、キュッと内股。
口元に小さく握った拳を添える。
「こーこー2年生。17歳の、瑠奈です♡
よろしくお願いしまーす♡」
きゃぴっと小首を傾げれば、ぴょんと揺れるハーフツイン。
その場にいたキャストどころか、スタッフまでもが凍りついて固まった。
(完璧に決まった!)
予想以上の反応に、心の中でニヤリと笑う。
でも、まだまだ。
もっと攻めないと。