台本通りの恋はしない!
Ep.3 2ショットで動揺を誘え
紫苑と2人、玄関を抜けて庭に出た。
ヨーロッパ風の造園は、2人がけの白いテーブルが置かれている。
遠くに潮騒も聞こえる。
真っ白な豪邸にふさわしい、華やかな造りだ。
「で、どうしたの?
何か話、あったとか?」
綺麗に咲いた薔薇のアーチの下で足を止めてすぐ、紫苑が私の背に向かって気まずそうに話し出す。
その背後にはカメラマン。当然、撮られてる。
「……」
ちょっと溜めてから、勢いをつけて振り返る。
靡く髪とミニスカート。シフォン素材のブラウスも、風に膨らんだ。
「うんっ。2人でお話ししてみたいなって思ったの。
紫苑くんのこと、王子様みたいだなって思って!」
後ろ手を組んで、無邪気に笑う。
空気読めないだけで、悪気はない――
って、思ってるでしょ?
紫苑は困ったように苦笑いするだけだ。