台本通りの恋はしない!
紫苑の目をまっすぐ見上げて、次の言葉を選ぶ。
「そんなことないよっ。美玲ちゃんに“慣れてこ”って言った時の紫苑くん、かっこよかったもん」
あ――ほっぺ攣りそう。
でも我慢。まだカメラ回ってる。
紫苑の感情の揺れを見逃さないようにしながら、必死に笑い続ける。
声も大丈夫?ちょっと高さが迷子になってきた。
「え――……と……」
紫苑の目が、言葉を探して空を彷徨う。
また上手に躱されないうちに、一気に畳み掛けてしまおう。
「いいなぁ、美玲ちゃん」
触れ合わないギリギリのラインまで距離を詰めて、下から紫苑の顔を覗き込んだ。
「瑠奈も紫苑くんと仲良くしたい」