台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
きょとんとする私を、爽真が憎らしそうに見下ろす。
作業台から離れた爽真の手が、じわじわと私の頭に伸びかける。
なのに私は全く気づかず、パッとダイニングの方を向いて壁掛け時計を確認した。
「あっそうだ、時間!
気にしないとだからね?6時45分くらいまでが限界かな。
物音にも注意しないと」
爽真の手が空中で中途半端に止まっている。
ものすごくスンとした顔をしていた。
「さて、何話そう?昨日何か変わったこと、あったっけな……」
口元に手を当てて考える。
昨日の配信の分析結果とか話したいけど、朝の爽やかな空気にはちょっと重いもんね。
それに時間が少ないし、いつ誰かが起きてきて終わってしまうかもわからない。
なにより、昨日の爽真はまた傷ついてそうに見えたから。
だったらちょっとでも、爽真も私も楽しい時間にしたい。