台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「なんかあったっけ?昨日」
紫苑が侵攻してきた以外に。
「……瑠奈の腕、いきなり掴んだだろ。俺」
言いづらそうに口をまごつかせて、ちょっと俯く。
なんだか深刻そうにしているけど、私は肩の力が抜けた。
「なに、そんなこと気にしてたの?
まあ、確かにびっくりはしたけど……」
はっと呆れた息が漏れて、くしゃりと笑う。
「爽真なのに、怖いと思うわけないじゃん!」
「――……」
瞬間、爽真が思考停止したみたいな顔になる。
ちょっとして、緩んでた眉がみるみるうちにまた寄って、視線が泳ぎ出した。
「……それ、どういう意味で言ってんの」
落ち着かない爽真の手が、キッチンの作業台にしがみつく。
もう一方の手は口元を覆って、指先が少し頬に沈んでいた。
「え?言ったまんまだけど?」
「だろうな、お前はそういう奴だ」