台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


「……や、大丈夫。
私もともと少なくても元気に過ごせる派だから」

「そんな感じはするな」

「でしょ?…はは……」

トクトクと、止まらない感情が血管から全身に伝播していく気がする。

パッと顔を逸らして爽真の手から逃れて、落ち着かない気持ちを前髪を撫で付けて誤魔化す。


変な沈黙が、落ちてしまった。


花火大会の日から、何だか私はおかしい。

……いや、実はもっと前から?

わからないけど、

爽真に触れられると、私は私じゃいられなくなる。


(そういう意味では、ある意味怖いわ)

……なんて、皮肉ったって。

訝った顔をした爽真が、ゆっくり屈み込んで私の顔を覗く。
< 410 / 457 >

この作品をシェア

pagetop