台本通りの恋はしない!

恋愛……リアリティショー……?

見知らぬ男女のリアルな惚れた腫れたを、全国に垂れ流す、アレ?

――それに出ることが、起死回生の一手ってこと?

ずっと前のめりになっていた体を起こして、ゆっくりと深呼吸する。

聞きたいことはいろいろあるけど、とりあえず。


「――それ、女優の仕事ですか?」


社長の顎を支えていた腕がずるりと外れる。
「そこかよ」って顔してた。

「この期に及んで何仕事選ぼうとしてるんですか」

さすがの御手洗も眉を寄せる。
銀縁メガネを指でくいと持ち上げて、仕切り直しとばかりに視線を鋭くした。

「死にかけの事務所の経営を、一旦軌道に戻せる大型案件です。貴女に拒否権なんてありません」

「横暴!」

すかさず噛みついた私に、御手洗は面倒くさそうにため息を吐く。
イライラを隠さず、ぶっきらぼうに手にしていた書類を差し出してきた。

「つべこべ言わず企画書を見てください。
貴女にとっても悪くない話だと思いますよ」

「…………」

疑いの目を向けながら、こちらも素っ気なく書類を受け取る。

その表紙には、

“恋愛リアリティショー企画
タイトル:アオハルVacation in SUMMER”

と書かれている。

―ひと夏の恋を、きみとずっと―

なんて、むずっとするサブタイトル付き。
刹那なのか永遠なのか、どっちだよ。

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