台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「……そういうキザなこと、言わなくていいから……っ」
ふいっと横を向いて紫苑の手から髪を逃す。
動揺に私の瞳が揺れているのを見て、紫苑はふっと双眸を細めた。
「えー、よくない?認識が改まるでしょ?」
「それと髪にキ……ッ……は、関係ないじゃん!」
「え?“キ”ってなに?俺は香月さんに何をしたの?」
「はっ…!?そんなのそっちの方がわかってるでしょ!」
カァーッと赤くなる私を前に、紫苑はけらけらと肩を揺らす。
――これで盤上は整った。
あとは、歪んだ筋書きを正していくだけだ。