台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「くれぐれも、保護監督責任を問われるような事態はないように。
安全に、真っ直ぐ帰ってきなさい」
状況に置いてけぼりの私たちを本当に置いてけぼりにして、巻さんやスタッフを乗せたロケ車はさっさと駐車場を出ていく。
車のバックライトがあっという間に遠ざかっていくのを呆然と見送ると、そのまま爽真の方を見た。
「……」
「……」
爽真も私のことを見ている。
なんとなく真顔で、その感情は全く読めない。
「とりあえずこれ――どうする?」
巻さんにもらった千円札を掲げて、一旦その場を凌ぐ。
「……アイスでも買うか。暑いし」
「……だね」
こっくり。
頷くのもちょっと変な感覚で。
2人して歩調を窺いあって、少しリズムが崩れた歩き方になりながら、またコンビニに戻っていく。
深夜じゃない。
リビングでもない。
けれど久しぶりの、
私と爽真のふたりきり。