台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
全体の引きのスクショや、同一シーンの背景の映り込みのツギハギでキャストの立ち位置を仮定する図。
それと爽真が視線を流した方向とを照らし合わせる矢印。
バーベキューのテラス。
海や向日葵での全員集合。
浴衣のファーストミート。
ひとつひとつなら偶然や深読みしすぎで終わるのに、いくつも重なるから本当にそう見えてしまっている。
>>え。そうまって……るななの?
>>むしろ嫌ってたくない?
>>だよね。これだけ証拠出てもすぐ飲み込めないくらいには。
読み進めるたび破裂しそうになる胸の音の原因が、緊張なのか不安なのか期待なのかよくわからなくなる。
積み上がっていく証拠に、スレッドのざわつきも増していく。
>>いつから?フラグのフの字もなかったよね?
>>そうま→るなだったとして、じゃあなんで今まで一言もそうまはそれを言わなかったの?
>>それどころかそうまはみれいばっか誘ってる
>>だから謎なんだよね。るなが好きなら隠す必要なくない?
――隠す必要は、ある。
なぜなら、それは台本とは違うから。
掴ませてはいけない真実に手が届きかけているような流れに、呼吸が浅くなってスマホを持つ手が震えた。
私の恐怖心に、ネットは寄り添ってはくれない。
1番なってほしくなかった流れに、どんどん向かっていく。
>>恋リアなんてどうせヤラセなんだからさ。
裏ではキャスト同士で遊びまくりよ。
>>でもそうま……うわー。
なんでよりによってるななの?
>>そうまのイメージ壊れた
>>色目使われて喜んでるとかちょっとないよね
>>普段クールぶってるから余計にねww
「違う。待って……!」
思わず椅子から立ち上がって、受け取ってくれるはずもない画面に向かって言っている。
爽真はむしろ、“悪女”の私を嫌ってた。
あざとい私のムーブに喜んだことなんて一度もないの。
勝手に解釈して攻撃しないで……!
私が悪女役を演じていたせいで、爽真の評価が落とされている。
私が倒れたりなんてしなければ、こんなことにはならなかったのに!