台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
>>みれい×しおんも演出だったんじゃね?
>>ええー、そこも?
>>そしたらみれいが急にそうまにいった理由も納得
打ちのめされそうな体から、全身の血の気が引いていく。
ついにパンドラの箱に視聴者の手がかかってしまった。
それを疑われたら、番組に大きな傷がつく。
――そして、本当に恋をしていた人たちの本物まで嘘になってしまう。
どうしよう。どうにかしなくちゃ。
このままじゃ爽真は、身勝手な行動をとって番組を破綻させた責任を背負わされる上に、悪女に誑かされた安い男って最悪のイメージまでついてしまう。
紫苑や美玲も、ヤラセに積極的に加担した人として冷ややかな目に晒される。
大和の取り戻したかった恋も、
彩加やひよりや陸みたいに、何も知らずに恋をしてきた人たちも、全員まとめて傷つく。
――考えろ、考えろ。
どうしたら、傷を最小限に抑えられるか。
爽真の未来を守れるか。
机に手をついて、目を伏せて思考を巡らせる。
視聴者が何を気にしているか、何を疑っているか。
多分、一度火がついた疑念はもう消えない。
だけど、それが確定した真実だと決めつけられないためには、どうしたらいいか。
「――……」
少しして、ゆっくりと項垂れていた頭を上げる。
ゆらり、西日にくらまない目には覚悟の色。
乱れた髪もそのままにして、部屋を出て隣のスタッフの部屋のドアを叩く。
中から人が顔を覗かせた瞬間、静かな声でこう告げた。
「巻さんと連絡を取らせてください。できれば、今すぐ」
――昨日の深夜、爽真に全てを白状して話ができていれば――
私の選択は、考え方は、変わったのだろうか?
ごめんね、爽真。
昨日までのことは全部話す。
だけど私はあなたに、もうひとつだけ秘密を増やす。