台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
会話がピタリと止まって、視線が美玲の方に集まる。
美玲は静かに微笑んだまま、胸に手を当てて覚悟を決めるかのように息を吸った。
「私はね、まだ好きとかではないかもしれないけど――……」
鈴が鳴るように優しいのに、はっきりと通る澄んだ声。
少女漫画のヒロインのような瞳が、まっすぐカメラを捉えている。
「紫苑くんのことが気になるの」
思わずほうっと息を漏らしそうになる。
――食われた。完全に。
今の私は、完全に美玲の引き立て役だ。
「ひゃーっ!そうなの!?
やばっ!あたし、応援するから!絶対!」
美玲に抱きつく彩加の興奮した声で、ハッと我に返る。
ショック受けてる場合じゃない。
私が引き立て役だなんて、最初からわかってたことじゃないか。
(それは承知で、爪痕を残す。……そうでしょ?)
彩加が美玲に戯れ付く横で、ひよりがまた手を挙げる。
「美玲ちゃんが言ったなら私も言いますっ!
私は、陸くんがちょっと気になってます……!」
「おっよく言ったっひより!」
美玲を抱きしめたまま、彩加が満面の笑顔で拳を上げる。
それから彼女も後に続く。
「あたしはねー、まだいないかなっ?
ごめーん、シャバくて!」
わいわいきゃっきゃと、また3人で盛り上がり出す。
彩加の肩口から顔を覗かせた美玲が、私のことを見た。