台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
――――……
「はい、OKでーす」
画角の外に控えていたスタッフから、カットがかかる。
そしてすぐに解散を告げられて、大人たちはさっさと引き上げていった。
「はぁー、緊張しましたぁ」
「ね。ひよりちゃんお疲れさま」
ひよりと美玲の会話に空気がふっと緩む中――
「瑠奈」
怒りを押し殺した低い声が、それを許さない。
「……なぁに?彩加ちゃん」
……怖い顔。
もともときつめの目つきが、より吊り上がっている。
「さっきの何?本気でもないのに、気になる人被せてきて……。美玲が気にするって思わなかったの?」
思うよ。わかりきってるよ。
でも私の役にとっての正解はこれだから、演ってるの。
「瑠奈も紫苑くんが気になってるのはホントだもん。
美玲ちゃんが先に言ったからって、遠慮するのは違くなーい?」
余裕の笑みを浮かべて、可愛こぶって首を傾げる。
彩加の顔がカアッと赤くなって、震える拳を握りしめた。