台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―



――同時刻、関東の片隅のシェアハウスでは。
明日行われる告白イベントに向けて、最後の2ショットタイムの撮影が控えていた。

アオバケの告白イベントは、一期の仕様に則って今期も男子から女子へ告白をする段取りになっている。

最終告白で、女子がそれを受ければ成立。
晴れて公式カップルになれる。

今日の2ショットタイムはその前段として、最終意思確認、あるいは最後のアピールをするために設定されている。

男女問わず、誘いたい人を誘って話す。
そういうルールだ。

今は、彩加と大和、そしてひよりと陸の番。
彩加たちは壁画の前、ひよりたちはテラスを選んで最後の2ショットに臨んでいる。

リビングに残されたのは、爽真、美玲、紫苑。

このあと、爽真と美玲、紫苑と美玲でそれぞれ撮影が待っている。

昨日の緊急配信について、今朝から誰1人その話題に触れた人はいない。

朝から続く気まずい空気だけが、なんとなくそこに漂うだけ。

公式三角関係、恋の最終局面――だというのに、3人の空気はそうは見えないほど重かった。


「白石、ちょっといいか?」


階段の側の壁に凭れて立っていた爽真が、ダイニングテーブルに着いていた美玲に声をかける。
ソファで黙って座っていた紫苑は、何の反応も見せない。

「……うん、どうしたの?」

爽真の方に振り返って、美玲が遠慮がちに頷く。
爽真は壁から離れて、腕を組んだままリビングの外を指さした。

「ここじゃちょっと。廊下で、いい?」
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