台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
演技を解除する寸前だった私のことを、綺麗な瞳がじっと見る。
微笑みを絶やさない唇が、静かに開いた。
「瑠奈ちゃんは、爽真くんって言うのかと思った」
「――え?」
思わず動揺に瞳が揺れる。
なぜ?とか、
何か言わなくちゃ、とか、
そんな思考で反応が遅れてしまう。
そんな様子を見て、美玲はクスッと息を漏らす。
「――でも無理か。
“そういうストーリー”じゃ、ないもんね」
それだけ言い残すと、ミルクティー色の髪を靡かせて美玲は女子フロアへと消えていく。
オレンジ色の間接照明が、呆然とする私をぼんやりと照らしていた。