台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
優しく言い聞かせるように、甘く静かに落ちる声。
潤んだ視界にぼんやりと映る爽真は、少し切なそうに、それでも優しく微笑んでいる。
「人のこと散々振り回しといて最後はこれ……。
もう瑠奈は変に嘘つくな。見分けがつかなくて紛らわしいから」
額に移った手が、ゆるく拳を作って柔く小突く。
大袈裟に仰け反った私に、爽真がくすぐったそうに苦笑した。
言葉はないのに、“許す”って言われたみたい。
いいの?私……自分に正直になっても。
すんと鼻を啜った時に溢れた涙を、爽真が優しく手で拭う。
その手を下ろしてすぐ、どちらからともなく近づけた手が距離をなくして繋がった。
苦しいくらい甘い鼓動が、心地よい波に変わっていく。
「……これからは、ちゃんと事前に話す」
「ん、そうして」
「だから一緒にいてもいい?」
「もうそのつもりだったけど」
「……爽真が最終日にくれる予定だった言葉。
私いま、聞きたいなぁ」
爽真の顔が、面食らってきょとんとする。
唇を噛んではにかむ私に、照れたように眉を顰めた。
「一回しか言わないから」
「心して聞く」
最後の深夜の再現みたいに、手の繋ぎ方が恋人のそれに変わる。
「好きだ。瑠奈。
自分でもわからないくらい、多分ずっと前から」