台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
Ep.9 プロ意識じゃカバーできないこともある
8月5日。木曜日。
10:00。
アオバケの舞台であるリビングには、今日も夏の強い陽光が差し込んでいる。
開け放たれたテラスに続くガラス戸からは、潮風が賑やかな声を運ぶ。
「……ひより、そっち押さえてて」
「承知しました、爽真くん!絶対に離しませんっ」
「いや、そんな握りしめなくていいから」
屋根から垂れるタープテントを、協力して張ろうとする声。
「これ折りたたみ式だけど、どう立てればいいのかな…?陸くん知ってる?」
「わっかんないっス」
「……説明書、どこにおいたっけ」
美玲と陸が、BBQコンロの組み立てに苦戦する声。
そんな青春真っ只中をBGMに、私はキッチンに立っていた。
「彩加さ、肉の切り方豪快すぎない?」
「えっでもBBQでしょ?こんなもんじゃない?」
「や、これ原始人が食べるやつな。火通らんて」
制服衣装にエプロンをつけた彩加と大和が、広い作業台の一角に並んで仲良く作業をしている。
――そして、私の隣には紫苑。
こっちもこっちでわいわいやってる、というわけで。
これが今回のラブ・ミッション。
【チームに分かれてBBQの準備をせよ】だ。