台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「女子に変とか、しつれー……」
顔色を悟られたくなくて、ふいっと顔を背ける。
爽真はそれすらも楽しそうに見てくるから、悔しくなって顔を顰めた。
「もう寝る」
1秒でもここにいたら、余計なボロを出す気がして爽真に背中を向ける。
今度は引き留められることもなく、女子フロアに続く階段に片足をかけた。
「瑠奈」
低くてほんの少し甘い爽真の声が、私を呼ぶ。
無視する選択肢もあったのに、うっかり顔を覗かせてしまった。
「明日も同じ時間に、ここで」
ドキンとひとつ、胸が鳴る。
何その強引な約束。
誰が、誰が行くもんか。
「――おやすみっ!」
イエスもノーも言わないで、逃げる様に目を逸らして階段を駆け上がる。
そっとひよりの寝息が聞こえる部屋に入ると、すぐにベッドに滑り込んだ。
「何アイツ何アイツ、なにあいつっ!」
止まない胸の鼓動を布団の中に隠すように、頭まで潜り込んで寝落ちるまでを過ごした。