明日マネージャーやめます!
 困惑する俺を前に、女性は恐竜のあみぐるみを手に取った。

 「…これ、可愛い。毛糸で出来てるのね」


 「え、えぇ、はい。は、母が!母が作ったんです!」


 焦って聞かれてもないのに嘘をついてしまった。

 「…そぅ。」


 女性はあみぐるみから視線を逸らさずそっと指であみぐるみをなぞる。

均一に揃えられた、しかしどこか歪さという名の手作り特有の暖かみがある編目をなぞるその仕草に心臓がバクバクとする。

 「これは展示物なの?」

 「あ、いえ、今から促販で出品しようと思ってて…」

 「…そぅ。」

 女性は静かに応えながらも指は毛糸の編目1つ1つをなぞっていた。

女性の手はあみぐるみを確認するかのように頭の形、腕の形、しっぽの形を全てなぞっていく。

 その、大事なものを触るかのような手つきに何故か俺の心臓もものすごい速さで脈打っていた。


 「これ、売ってもらえる?」


 「えっ?」
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