銀白虎





「蓮見くんって…本当にどこかの国の王子様じゃないか、って」




ずるっ。

思わず机から肘がずり落ちた。



…やっぱり突拍子もないことをいい始めた。




「そ、そんなわけないって…」


「でもさ!誰も蓮見くんの家知らないんだよ?…ファンクラブの人が追跡したら、途中で見失ったらしいし」



まて。それはストーカーじゃないか!


…しかし、あえて突っ込まないでおこう。




「…はぁ、きっと本当に王子様なんだよ…」



だから違うって。


あたし家知ってるから!!
お城じゃなかったよ!!

…まぁ、普通の家ではなかったけど…。


もちろん、そんなことは口が裂けてもいえないが。




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