銀白虎




あたしは少し戸惑った。


それが素なのか、強がりなのかわからなかった。



「亜美…今日はごめんね」


とりあえず、謝ろう。

あたしには謝ることしかできない。


いろんな意味を含めて謝った。



「あ、うん!大丈夫だよ!」



……あれ。


もっとなんか言われるかと思ったのに。

普通な反応に、なんだかついていけない…。



さっきの謝りじゃ、ちゃんと伝わってないのかもしれない。



「…あの、亜美…ごめんね?」


もう一度、謝ってみた。



「…え?あ、うん…もういいよ?なんでそんなに謝ってんのー」



……なんだろう。

…なんか、違うぞ?




「あ、亜美さん?」


「なぁに?」


「お、お電話の内容は…」


ああ!と言う声が携帯越しから聞こえた。




< 238 / 589 >

この作品をシェア

pagetop