銀白虎




こ、こえぇぇぇ…!!



一瞬止まろうかと思ったのだが。


「どうせロクな話じゃねぇよっ」


そう言って、更に歩みを早める神崎くん。


え、ちょ、え!?


「止まりなさい!結城飛鳥さん!!」


あたしが止まらないので、どんどん般若の形相へと変わっていく…。



ひぃぃぃぃい!すいませんんんんん!!


やっぱり恐いぃぃ…!





さっきあんな人に、自分はあんなことを言ってしまったのか…。


改めて凄いことをしでかしてしまったんだな、と実感した。




…さっきのあたしはどうかしていた。

うん、きっとそう。そうに違いない。



あんな般若の形相の人に向かっていくなんて…!!




「結城飛鳥!!!」







うん、そうだ、きっとそう。さっき、あたしは、おかしかった。


自分にそう言い聞かせた。




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