銀白虎





「…はぁ、たくっあの人人間じゃねぇなぁ…」


屋上にたどり着き、神崎くんが第一声に吐いた言葉に、あたしは内心激しく同感した。




「……にしても、結城も命知らずなことするよなぁ」


あはは、と笑われたが、


それは神崎くんの方だろうよと思った。




「あの人有名だぞ?なんでもあの人にターゲットにされた人はみんな居なくなるとかならないとか…」





い、居なくなるぅぅ?


居なくなるって……ここからってこと?


つまり、転校させられるってこと?







「…う、うそぉ」


「いや、結構ほんとっぽいぜ?」




………ああ、悪夢だ。


あたしは本当に、なってことをしてしまったんだ……。




ぺたんと、地べたに座り込む。




< 257 / 589 >

この作品をシェア

pagetop