一途な社長に溺愛を教え込まれた夜

第1章 失敗から始まる出会い

胃の奥が冷たく凍りついていくのを感じた。

会議室の空気が、これほどまでに重く、鋭利な刃物のように肌を刺すものだとは知らなかった。

私の心臓は早鐘を打ち、手元に置いた資料を持つ指先が細かく震えている。

「……高梨さん、今、何とおっしゃいましたか?」

取引先の重鎮、株式会社誠和建設の部長である村田氏が、眼鏡の奥で目を細めた。

その声には明らかに苛立ちが混ざっている。

私は喉に詰まった異物を飲み込むようにして、もう一度、震える声で口を開いた。

「も、申し訳ございません……。先ほど申し上げた通り、弊社の今回の提案は、御社の『スカイタワー・プロジェクト』のコンセプトを、より一層強固にするもので――」

「あのね、高梨さん」

私の言葉を遮ったのは、村田部長の冷ややかな声だった。
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